
生え際の薄毛が心配です。
塗りミノは生え際にも効果ありますか?
こんな疑問にお答えします。


薄毛に悩み始めた人が最初に検討するのが塗りミノ(ミノキシジル入り発毛剤)です。
日本皮膚科学会のAGAガイドラインでは、ミノキシジル5%の塗りミノが推奨されており、有効性(髪の毛の増加)が認められています。
しかし、なかには生え際にも効くのか心配で「塗りミノで生え際のM字部分を改善できるのか?」と疑問をもつ方も多いかと思います。
そこで今回は、塗りミノを3年以上使っている筆者が「塗りミノは生え際のM字にも効果はあるのか?産毛止まりのときの対処法」について詳しく解説します。
塗りミノは生え際のM字ハゲには効かないのか?
塗りミノは生え際にも作用します。頭頂部にしか効かないことはありません。
ただし塗りミノだけでは産毛が生えてくる程度で目に見えるほどの改善は難しいです。
生え際のM字を改善するにはフィナステリドあるいはデュタステリドを併用したほうがいいです。
ミノキシジルには内服薬(ミノタブ)もありますが、副作用が生じる可能性が高いのでやめたほうがいいです。
【体験談】塗りミノで生え際のM字ハゲを3年以上予防できた
ミノタブをやめて生え際が薄毛に戻りましたが、その後3年以上塗りミノで維持しています。


ミノタブとフィナステリドでAGA治療を始めて、薄毛を改善することができました。


ミノタブのおかげで薄毛を改善できたのはよかったのですが、「心臓に負担がかかる」副作用が心配だったのでやめることにしました。
ところが、ミノタブをやめたら生え際が薄毛に戻ってしまいました。


ミノタブをやめて塗りミノで維持できているので、最初から塗りミノで始めればよかったと思います。





おすすめの塗りミノはこちらの記事でくわしく解説しています。
関連記事:塗りミノのおすすめはどれ?塗りミノ16商品の価格・効果を比べてみた
塗りミノで生え際のM字に効いた人・効かない人の口コミ
塗りミノで生え際に効いたと効いていない人の口コミを紹介します。
効いた人の口コミ
こちらの方は、フィナステリドと塗りミノを併用して、3ヶ月で生え際のM字が改善しています。
こちらの方は、薄毛が進行していた生え際が3ヶ月でかなり改善しています。
塗りミノ使用前
塗りミノ使用3ヶ月後
動画で見ると、塗りミノ使用後の変化がよりわかります。
こちらの方は、4ヶ月で生え際のM字と頭頂部が目覚ましいほど改善しています。
塗りミノ使用前
塗りミノ使用1ヶ月
塗りミノ使用2ヶ月
塗りミノ使用3ヶ月
塗りミノ使用4ヶ月
動画を見ると、頭頂部はまだ改善の余地が残っていますが、生え際はしっかり改善しています。
このように、塗りミノは3〜4ヶ月使い続ければ個人差はありますが生え際のM字部分が変化してきます。
関連記事:塗りミノのおすすめはどれ?塗りミノ16商品の価格・効果を比べてみた
効かない人の口コミ
一方で塗りミノを使ったけど生え際のM字に効かない人もいます。
AGA以外のほかの病気でも言えることですが、どんな薬でも効く人と効かない人がいます。
それでも、塗りミノが効かなくても生え際のM字を改善する方法はあります。
塗りミノで生え際のM字が効かないときの5つの原因
塗りミノを使っているのに生え際が改善しない場合の原因は、以下の5つです。
- 初期脱毛で抜け毛が増えた
- 3ヶ月しか使っていない
- 1日1回しか塗っていない
- 塗り方が間違っている
- ミノキシジル濃度が足りない
初期脱毛で抜け毛が増えた
塗りミノは1〜2ヶ月では効果はわかりません。
最初の1〜2ヶ月は初期脱毛で一時的に抜け毛が増えます。
初期脱毛とは?
ミノキシジルはヘアサイクルを「休止期」から「成長期」に移行する作用があります。
成長期に入り新しい毛が生えてくるため、古くなった髪の毛が抜けます。
ほとんどの場合、1ヶ月以内で終わり2ヶ月目には抜け毛が落ち着きます。
わたしの場合、ミノタブを服用して最初の2〜3週間、初期脱毛がありました。


抜け毛が多い時期は「このまま続けて大丈夫だろうか…?」と不安になりましたが、1ヶ月たたないうちに終わりました。
塗りミノの効果を得るには、初期脱毛が生じてもやめないことが大切です。
関連記事:塗りミノの初期脱毛が1ヶ月以上たっても終わらない場合の対処法を解説
3ヶ月しか使っていない
塗りミノの効果が出るまで、4ヶ月続けましょう。
リアップの臨床試験では、4ヶ月後に80%以上の人が効果を実感しています。


そのため、リアップの説明書には、「少なくとも4ヶ月以上使いましょう」と書いてあります。
髪が成長するには時間がかかります。発毛の効果を実感するまで、少なくとも4ヶ月間、用法・用量を守って正しくお使いください。
引用元:リアップ添付文書



まずは4ヶ月使ってみて、塗りミノが効いているのか判断しましょう。
関連記事:塗りミノの効果が出るまでの期間は?効果が出ないときの対処法も解説
1日1回しか塗っていない
塗りミノは朝と夜、1日2回塗ることが推奨されています。
1日2回塗ったほうがいい理由は、ミノキシジルの半減期が4時間だからです。


「半減期が4時間」とは、血中濃度が4時間後に半分になることを意味します。
つまり、血中濃度が8時間後にほぼゼロになる計算になります。
ミノキシジルの血中濃度から考えると、塗りミノの効果を維持するには1日2回使ったほうがいいというわけです。
参考までに、1日1回と1日2回の効果を比べた臨床試験では1日2回使ったほうが良い結果が報告されています。
These results indicate that continued use of topical minoxidil sustains the majority of vertex nonvellus hair growth initiated during the first 12-month period of topical minoxidil use and that twice-daily application of topical minoxidil is preferable to once-daily application for maintenance therapy.
これらの結果は、ミノキシジル外用剤の継続使用により、使用開始後12ヶ月間に開始された頭頂部毛髪の大部分が維持され、維持療法には1日1回塗布よりも1日2回塗布が望ましいことを示しています。
引用元:Long-term follow-up of men with male pattern baldness treated with topical minoxidil(1987)



塗りミノの効果を1日キープするには、8時間空けて1日2回塗りましょう。
関連記事:塗りミノは夜だけでは意味ない?1日1回と1日2回で効果は違う?
塗り方が間違っている
塗りミノは、髪の毛に塗っても意味がありません。
塗りミノは頭皮に浸透して毛乳頭細胞に作用して効果を発揮するため、頭皮に浸透させることが大切です。
頭皮が皮脂でおおわれた状態だと塗りミノが浸透しにくいので、髪を洗って乾かした直後に塗るのがベストです。


同じ理由で頭皮が濡れたままでは頭皮に浸透しづらいので、ちゃんと髪を乾かしてから塗りましょう。



めんどくさいと思うかもしれませんが、効果を出すには大切なポイントです。
ミノキシジル濃度が足りない
塗りミノを正しい塗り方で1日2回、4ヶ月続けても生え際のM字に効かない場合は、ミノキシジル濃度が足りないと考えられます。
日本で承認されている塗りミノは、ミノキシジル1%〜5%です。
臨床試験では、ミノキシジル2%よりミノキシジル5%のほうが1.5倍効果が高い結果が示されています。
ミノキシジル2% | ミノキシジル5% |
---|---|
12.7本/cm2増加 | 18.6本/cm2増加 |
393名の男性被験者を対象とした,観察期間 48 週までのランダム化比較試験において,脱毛部1cm2内の非軟毛数のベースラインからの増加は,プラセボ群が平均3.9本,2%ミノキシジル群が平均12.7本,5%ミノキシジル群が平均18.6 本で,5%ミノキシジル群で他の 2 群に比し有意に増加した
引用元:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
そのため、日本皮膚科学会のAGAガイドラインでは、ミノキシジル5%の塗りミノが推奨されています。


塗りミノを選ぶときは、ミノキシジル濃度が5%のものを選びましょう。
関連記事:塗りミノのおすすめはどれ?塗りミノ16商品の価格・効果を比べてみた
塗りミノでは生え際のM字が産毛止まりの場合の対処法
塗りミノを使っているのに生え際のM字が産毛止まりの場合の対処法は、おすすめ順に以下の4つです。
- フィナステリドを併用する
- デュタステリドを併用する
- ミノキシジル濃度を上げる
- ミノタブに切り替える
③④は未承認薬なので、③④は①②をやってもダメだった場合です。
フィナステリドを併用する
塗りミノを4ヶ月使っても生え際のM字が改善しない場合は、フィナステリドを併用しましょう。


フィナステリドを併用することで、塗りミノの効果がさらに高まると期待できます。
臨床試験では、4つのグループを比較して、よかった順に以下の結果でした。
- フィナステリド+塗りミノ(グループ2)
- フィナステリド+ケトコナゾール(グループ4)
- フィナステリドのみ(グループ1)
- 塗りミノのみ(グループ3)
Group I (30 patients) was administered oral finasteride, Group II (36 patients) was given a combination of finasteride and topical minoxidil, Group III (24 patients) applied minoxidil alone and Group IV (10 patients) was administered finasteride with topical ketoconazole.
グループI(患者30人) はフィナステリドの経口投与、グループII(患者36人) はフィナステリドと外用ミノキシジルの併用、グループIII (患者24人) はミノキシジル単独の投与、グループIV(患者10人) はフィナステリドと局所ケトコナゾールの併用投与でした。
At the end of one year, hair growth was observed in all the groups with best results recorded with a combination of finasteride and minoxidil (Group II) followed by groups IV, I and III.
1年の終わりにすべてのグループで発毛が観察され、最良の結果はフィナステリドとミノキシジルの組み合わせで記録され、以下グループII、グループIV、I、IIIという順番でした.
引用元:Comparative Efficacy of Various Treatment Regimens for Androgenetic Alopecia in Men(2002)
このように、塗りミノだけ使うよりフィナステリドを併用した方が良い結果が出ています。
わたしは国内製フィナステリドがいちばん安いので
東京オンラインクリニック
関連記事:東京オンラインクリニックのオンライン診療を受けてみた体験談と感想
デュタステリドを併用する
「塗りミノ+フィナステリド」を6ヶ月使っても薄毛が改善しない場合は、フィナステリドからデュタステリドに切り替えましょう。
フィナステリドからデュタステリドに切り替えて改善した事例が報告されています。(写真)
この事例では、65歳の男性が塗りミノとフィナステリドを4ヶ月併用したけど効果が今ひとつで、デュタステリドに変更して良い結果が得られています。
フィナステリドとデュタステリドを比較した臨床試験では、デュタステリドのほうが優れた効果が示されています。
デュタステリド0.5mg/日とフィナステリド1 mg/日を用いた,917名の男性被験者を対象とした観察期間6カ月のランダム化比較試験において,全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示した
引用元:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
ただし、フィナステリドよりデュタステリドのほうが性機能の副作用が生じる確率が高いです。
フィナステリド※1 | デュタステリド※2 | |
---|---|---|
性欲低下 | 1〜5%未満 | 8.3% |
勃起不全 | 1%未満 | 11.7% |
射精障害 | 1%未満 | 5.0% |
※1 フィナステリド添付文書
※2 Long-term safety and efficacy of dutasteride in the treatment of male patients with androgenetic alopecia(2016)
まずはフィナステリドを使ってみて、効果が今ひとつだったらデュタステリドに切り替えましょう。
関連記事:デュタステリドにフィナステリドから切り替えて良好な結果が出た事例
ミノキシジル濃度を上げる
「塗りミノ+デュタステリド」を6ヶ月使っても薄毛が改善しない場合は、塗りミノの濃度を上げましょう。
臨床試験では、ミノキシジル15%が5%よりも良好な結果を示した報告があります。
Minoxidil 15% performed significantly better than the 5% formulation at Weeks 12 and 24.
ミノキシジル15%は、12週目および24週目において、5%よりも有意に良好な結果を示した。
引用元:Does topical minoxidil at concentrations higher than 5% provide additional clinical benefit?(2022)
国内で承認されているのはミノキシジル5%までで、それ以上は海外製の未承認薬です。
AGAクリニックでは、医師が海外メーカーから購入して処方しているところもあります。
ミノタブに切り替える
「ミノキシジル15%塗りミノ+デュタステリド」を6ヶ月使っても薄毛が改善しない場合は、ミノタブに切り替えましょう。
発毛効果という点では、塗りミノよりミノタブのほうが期待できます。
ミノキシジルは内服薬と直接頭皮に塗布して使用する外用薬があり、内服薬と外用薬とでは発毛効果にやや差が認められます。
内服薬は、血中より毛球部分にある毛乳頭を辿って効果をあらわします。また、内服薬は体内の血中から薬効を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できると考えられています。
引用元:AGAヘアクリニック「ミノキシジルの効果と副作用は?外用薬と内服薬の違いや注意点を解説」
ただし、ミノタブを使うと、髪の毛だけでなく体毛も濃くなります。




日本皮膚科学界のAGAガイドラインでは、「ミノタブは行うべきではない」と言われています。


ミノタブは血管を広げて血流を良くする作用があり、心臓に負担がかかるリスクがあります。
ミノタブを使うのは、①〜③を全部やってもダメだった場合の最終手段です。
ミノタブを使う場合は、医師に相談しながら慎重に使用しましょう。
「デュタステリド+ミノタブ」で半年〜1年で薄毛が改善したあとは、ミノタブを減らしつつ塗りミノで維持していきましょう。
関連記事:ミノタブはやめたほうがいいの?経験者が副作用と健康上のリスクを解説
まとめ:塗りミノは生え際のM字ハゲ対策にも使える
塗りミノは正しい塗り方で1日2回、4ヶ月続ければ生え際のM字に変化が見えてきます。
ただし塗りミノだけでは産毛が生えてくる程度で目に見えるほどの改善は難しいです。
フィナステリドは頭頂部の薄毛には有効ですが、生え際への効果は薄いため、塗りミノとフィナステリドの併用がスタンダードです。

